「勉強が終わったらご褒美をあげるから」の危険性とは?

お悩み

子供に勉強させたいと思ったときに、「終わったらゲームしていいから」と言っていませんか?

他にも、「テストでいい点が取れたら何か買ってあげるから」の様に、ご褒美をあげることを条件にして子供を頑張らせた経験のある親御さんは、多いのではないでしょうか。

その中でも多くの方は、「たぶんこうやって子供にやる気を出させるのはあんまり良い事ではないだろう」という事を暗にわかっているはずです。

それでもはっきりとした根拠がないし、子供のやる気を引き出すには一番都合が良いからまた使ってしまう。。。

子供をご褒美で釣る事がなぜ良くないのか?という事について、今回は行動経済学の視点からズバリお伝えしたいと思います。

行動経済学

行動経済学とは、普通の経済学が数字のみで経済を研究するものなのに対し、心理学の手法や実際の観察による事実を用いて経済を研究する学問です。

例えば、あるゲームカセットが欲しいと思い、チラシを見ると家の近くのお店では5000円だったとします。

しかし、よくチラシを見ると家からちょっと遠いお店では4700円で売っています。

こんな時、多くの人は300円のために、ちょっと歩いて遠いお店に買いに行くでしょう。

一方、同じように近くのお店ではステレオが195000円だったとして、遠くのお店では194700円だったとします。

この場合では多くの人は300円を誤差とみなして近くのお店に買いに行ってしまうのです。

このように私たちは、全体の金額の大きさによって、同じ金額でも大事に扱ったり、どうでもいいと思ったりと、勝手にその価値を変えてしまう事があるのです。

このような心の動きを、行動経済学では「感応度逓減(ていげん)性」と呼びます。

コンビニでおにぎりが200円だったら高いと思うのに、外食に行って100円値段が上がってもあまり気にならないというのも、この例に当たります。

行動経済学とはこのように、人間の感覚のあいまいさに焦点を当てたものです。


アンダーマイニング効果

今回はこの行動経済学から、「アンダーマイニング効果」というのをご紹介します。

アンダーマイニング効果とは、簡単に言うと「自分が好きでやっていた行動でも、外から報酬を与えられると、やる気が無くなってしまう現象」の事です。


例えば、ある街におじいさんがいたとします。


そのおじいさんは、子供達が塀に落書きをしていくので困っていました。

そこである日、近所の学者に相談すると、ある方法を教えてくれました。

次の日、また子供たちが落書きをしにやってきました。

いつもならおじいさんは大声で追い返すのですが、その日はなんと子供達におこづかいをあげてこう言いました。

「これからは、落書きをするたびにおこづかいをあげよう」

その次の日も、また次の日もおじいさんは子供におこづかいを上げました。

しかし、しばらくたったある日、突然おじいさんはこういいました。

「ごめんよ、今日からはおこづかいは無しじゃ」

すると子供達は、次の日から落書きをすることは無くなりました。


子供達は、初めは楽しくて落書きをしていました。

しかし、おこづかいという「報酬」を与えられるようになると、目的が「自分達の楽しみ」から「おこづかい」に変わってしまったのです。

なので、おこづきが無くなると、落書きをする気をなくしてしまいました。

このように、「自分が好きでやっていた行動でも、外から報酬を与えられると、やる気が無くなってしまう現象」を、「アンダーマイニング効果」と言います。


教育とアンダーマイニング効果

このように、子供に勉強してほしいと思った時に、「ご褒美」をあげてしまうと、初めは「勉強が楽しくて」「足し算が出来るようになったのが嬉しくて」やっていた勉強でも、「ご褒美が貰えるから」という理由でするようになってしまうのです。

そして、そのご褒美が無くなると、やる気を出さなくなってしまうのです。

勉強の目的が無意識に、「勉強の楽しさ」から、「ご褒美」へとすり替わってしまい、そのご褒美が無くなると勉強できなくなってしまうのです。

これはとても危険な事です。


なので、子供には出来る限りご褒美をあげずに、「勉強の楽しさ」や「出来ることが増えていく楽しさ」「知識を得ていくことの喜び」などを理由に、勉強してもらうようにすべきなのです。



非常に難しい事ですが、そうするのが一番長く、子供のやる気を引き出すことが出来るのです。

勉強の楽しさとは、少しづつ難しいことが出来る様になっていく過程にあります。

しかし学校の勉強では、簡単な問題を繰り返すばかりで、難しい事にはあまり挑戦させません。

それは、多くの子供を一緒に指導しなければならないので、レベルを一番下の子に合わせなければいけないからです。

それでは、学校の勉強が面白くないのは当然です、勉強の面白さは、家庭で親が教えてやらねばいけないのです。

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